ゆりかごから脳死まで(仮)

u18は素で間違えた(低学歴)

6月読書リスト

もう6月終わり!?

 

夢野久作ドグラ・マグラ

国木田独歩『恋を恋する人』

小栗虫太郎黒死館殺人事件

遠藤周作『沈黙』

 

今月も論文とかを読むのにキャパを割かれたので4作に止まった。

まず夢野久作ドグラ・マグラ』。これ高校の時に一回手に取って挫折した気がしたんですが、数年経ち、読書力も多少はついたと思ったので再挑戦。感覚的には今月の半分ぐらいはこれに時間を割いた気がする。後述の黒死館殺人事件と虚無への供物合わせて「三大奇書」と呼ばれるものですが、内容的には読みやすい……というか読み進めやすいというのが正しい表現な気がする。作中にも同名の『ドグラ・マグラ』という小説が出てくるのだが、それがこの小説と同じものだとすると、どうしてもこの書き手は主人公の彼以外有り得ないのだが、どうも作中の登場人物の言葉を読むと違う作品のような気がする。ドグラマグラというのはただの記号のようにも感じるのだが、真相は神のみぞ知る。

 

国木田独歩『恋に恋する人』浪漫主義の中では泉鏡花が一番好きなのだが、国木田独歩の作品にはこれまで一作も触れていなかったので気軽に読めそうなこれを選んだ。まあ短編なので省略。

 

小栗虫太郎黒死館殺人事件』今回の問題児。衒学に次ぐ衒学。はっきり言って知識も何も無い状態だと読めたものじゃない。自分も途中から内容を把握するのをあきらめて、ただ文字を追っていただけなので細かいところはほとんど内容を覚えていない。せめてゲーテファウスト』や聖書、ニーチェ、一般世界史ぐらいの知識は必要だと思った。おそらくあらゆる読書家が最後に読むべき小説で、あらゆる文学の頂点に近いところに位置すると思う(決して賞賛ではないが)。自分もあらゆる本を読んでからまた読んでみたいと思う一冊だった。

 

遠藤周作『沈黙』江戸時代のキリスト教禁制下での宣教師の物語。神の沈黙を描く。これはおそらく遠藤周作にしか書けない話だと思った。宣教師の書簡から始まり、そして宣教師の心情を交えた息の詰まるような話で一気に引き込まれ、2日ほどで読み終えてしまった。日本という国の特異性だけでなく、キリスト教の「信仰」とは何か、といった内部まで踏み込んでくるないようだった。先ほど一気に引き込まれたという言葉で表した通り、緊迫感は凄まじくクるものがあった。特に終盤のロドリゴが「穴吊り」に処されようかという直前の「鼾」の正体が明かされたとき、驚愕、恐怖、絶望……様々な感情が一つの波となって押し寄せてきた。こういう心のダイナミズムが小説の醍醐味なのかもしれないと再認識した。

 

 

7月に読みたい本はある程度目途を付けていて、とりあえずヨーロッパの文学にも手を伸ばすために聖書はぼちぼち読み進めていきたいという所存。おそらく数カ月かかる。

あとは井上靖であったりフィッツジェラルドであったりカントであったり筒井康隆であったり、ジャンル的にはバラバラ

以上、カーテンフォール。