潮騒にそっと内緒でセリフを隠して
作文意欲を高めるためのちょっとしたお話。
といっても、ある作品の一部分とその主題歌に共通して、「綺麗だな」、と思うところがあるだけという話。
タイトルから察してしまうかもしれないけど、その作品は「ちいさな彼女の小夜曲」
そして曲は「マリンブルーに沿って」
まずは曲の方から、佐咲紗花さんのブログから抜粋
2.マリンブルーに沿って
1曲目でも少し触れましたが、
PCゲーム「小さな彼女の小夜曲」OP主題歌として
EDの「キスのひとつで」と共に絶大な人気を誇る曲です。
これを男性が書いたのか…と悔しくなってしまうくらい
乙女心の恋模様を繊細に描いた歌詞に、耳に残るメロディー。
きゅんきゅんしっぱなし大放出!
堀江氏の独特なベースラインも好きなポイントの一つ。
サビ終わりの「そういうことにしようよ」の
ナイショ話みたいないたずらっぽい歌い方は
堀江氏のディレクションによるものです。
それを受けて「ねぇ・・・」の後に人差し指でしーっとやる部分も
ライブでの好きなポイントのひとつです♪
初めてライブでバンド演奏したのは
Daybreakerのツアーアンコールででした。
ドラムののぞのぞのこの曲での荒らぶりよう、
今回のツアーでも見られるのでしょうか?(・∀・)
実際にこの歌は素晴らしい曲だと思います。自分自身大好きな曲ですし。多分「キスのひとつで」よりもたくさんリピートかけてますし。
続いて本編の方のシーン(結構なネタバレなので注意)
パッケージヒロインの片貝汐音ちゃんの告白シーン。
見ればわかりますが、ないしょ話のようにこそっと気持ちを伝える、「彼女」らしい告白で、とても可愛らしいです。
児戯じみた内緒話がどこまでも純粋で、誠実で、少し気恥ずかしい感じがして、
このゲームの魅力を雄弁に語るような、そんなシーンです。
ちいさな彼女の小夜曲、という作品タイトルについて少しだけ自論を述べさせていただくと、小夜曲というのはまあ言うまでもなくセレナードですね。
セレナードはその起源は
夜に野外で恋人を褒め称えるために歌われる「扉の前で」と呼ばれる音楽ジャンルが存在した。こんにち口語に残っている「セレナーデ」も、親しい相手や、その他の称賛すべき人物のために、夕方しばしば屋外で演奏される音楽を指す。
というように恋人のために演奏することが起源だったようです。日本でいう贈答歌みたいなものでしょうか。
当然、ギターもリュートもないので、汐音ちゃんは健気にも朴念仁な主人公の為に毎日のように歌で気持ちを届けようとします。
この主人公の為に小さな勇気を振り絞って歌った歌こそが、彼女の小夜曲だったのかなと、プレイして暫く経った最近思い至ったというだけ。
つまり「ちいさな」が「彼女」と「小夜曲」の2つに掛かってたのかなあと。。。
というように以上の2つの「ないしょ話」というのがとても綺麗な話だなあと思った話でした。
6月読書リスト
もう6月終わり!?
国木田独歩『恋を恋する人』
遠藤周作『沈黙』
今月も論文とかを読むのにキャパを割かれたので4作に止まった。
まず夢野久作『ドグラ・マグラ』。これ高校の時に一回手に取って挫折した気がしたんですが、数年経ち、読書力も多少はついたと思ったので再挑戦。感覚的には今月の半分ぐらいはこれに時間を割いた気がする。後述の黒死館殺人事件と虚無への供物合わせて「三大奇書」と呼ばれるものですが、内容的には読みやすい……というか読み進めやすいというのが正しい表現な気がする。作中にも同名の『ドグラ・マグラ』という小説が出てくるのだが、それがこの小説と同じものだとすると、どうしてもこの書き手は主人公の彼以外有り得ないのだが、どうも作中の登場人物の言葉を読むと違う作品のような気がする。ドグラマグラというのはただの記号のようにも感じるのだが、真相は神のみぞ知る。
国木田独歩『恋に恋する人』浪漫主義の中では泉鏡花が一番好きなのだが、国木田独歩の作品にはこれまで一作も触れていなかったので気軽に読めそうなこれを選んだ。まあ短編なので省略。
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』今回の問題児。衒学に次ぐ衒学。はっきり言って知識も何も無い状態だと読めたものじゃない。自分も途中から内容を把握するのをあきらめて、ただ文字を追っていただけなので細かいところはほとんど内容を覚えていない。せめてゲーテ『ファウスト』や聖書、ニーチェ、一般世界史ぐらいの知識は必要だと思った。おそらくあらゆる読書家が最後に読むべき小説で、あらゆる文学の頂点に近いところに位置すると思う(決して賞賛ではないが)。自分もあらゆる本を読んでからまた読んでみたいと思う一冊だった。
遠藤周作『沈黙』江戸時代のキリスト教禁制下での宣教師の物語。神の沈黙を描く。これはおそらく遠藤周作にしか書けない話だと思った。宣教師の書簡から始まり、そして宣教師の心情を交えた息の詰まるような話で一気に引き込まれ、2日ほどで読み終えてしまった。日本という国の特異性だけでなく、キリスト教の「信仰」とは何か、といった内部まで踏み込んでくるないようだった。先ほど一気に引き込まれたという言葉で表した通り、緊迫感は凄まじくクるものがあった。特に終盤のロドリゴが「穴吊り」に処されようかという直前の「鼾」の正体が明かされたとき、驚愕、恐怖、絶望……様々な感情が一つの波となって押し寄せてきた。こういう心のダイナミズムが小説の醍醐味なのかもしれないと再認識した。
7月に読みたい本はある程度目途を付けていて、とりあえずヨーロッパの文学にも手を伸ばすために聖書はぼちぼち読み進めていきたいという所存。おそらく数カ月かかる。
あとは井上靖であったりフィッツジェラルドであったりカントであったり筒井康隆であったり、ジャンル的にはバラバラ
以上、カーテンフォール。
5月読書リスト
京極夏彦『魍魎の匣』
歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』
『春から夏、やがて冬へ』
乙一『GOTH』上下巻
三島由紀夫『美しい星』
堀辰雄『美しい村・風立ちぬ』
ヘッセ『車輪の下』
この一月はあまり多くの本を読めなかった。リアルでかなり忙しかったり、試験が重なったり、プレゼンの機会が多く、小説に幅広く触れるのは諦めた。
先月はミステリー小説を中心に読むことに決めていた。
まず、京極夏彦の『魍魎の匣』京極作品は敬遠していたが、その世界観にガッツリ引き込まれた。魍魎の匣自体はエグい描写が多かったが、それ以上に興味を掻き立てる、そんな臨場感があった。
次に歌野晶午の二作、割と対照的なストーリーだった。『葉桜の〜』は叙述トリックにしてやられた。終盤の展開と、生に希望を見出だす話だった。反対に『春から夏、やがて冬』は読者にしかわからない真実というものがそこにはあって、死によって救われる人々の話が描かれていた。
乙一の『GOTH』はトリックや伏線の巡らせ方が巧妙だった。話自体は暗鬱としたものであって、主人公の妙に冴え渡った思考に不気味なものを感じる。あくまで読者として徹することには非常に良い作品。
以上に挙げた以外にも10冊以上の学術書を手に取って読んだのだが、まあなんとなく読んだという実感も薄いので省いた。
トリノライン感想+軽い考察【ネタバレ注意】
クリアしてから2カ月経ちましたが、書き溜めていた分だけ放出。
感想の順番は自分が攻略した順です。主観を述べるのはあまり好きじゃないのでさらっと
ゲームの評価についても参考にならないと思うので省略
【夕梨√】余命僅かな夕梨が身体をアンドロイド化させることで延命措置を取るという話。「人間というのは非常に面倒くさいんだよ」という夕梨自身の科白をこれでもかというほど人間臭さを体現したシナリオでした。
【シロネ√】夕梨シナリオとは対称的に主人公がアンドロイド化して延命することを拒否し、尊厳死(といえるのかな?)を選ぶ話。正直最後のシロネのモノローグが一番この作品で好きだったかもしれない。
【沙羅√】効率を追い求めたアンドロイドが行き着く世界は、皮肉にも「アンドロイドによって人間が身体を管理される」というちょっと問題提起して、なんやかんやアンドロイドと対峙して説得して終わり。個人的には管理社会ifも見たかったかな。
《考察やらよしなしこと》
◎生と死、幸せなのは?
このゲームシナリオとしては夕梨シナリオとシロネシナリオが対照的になっているんですかね。アンドロイド化で永遠の命を手に入れるか、それとも最期まで人間らしく生きて尊厳死を選ぶか。
尊厳死やロボットに関連する諸問題は法哲学の講義で学んだ記憶があります。まあ法哲学はちょこっと齧っただけなので、多くは語れませんのでそれ相応の文献なりなんなりを見て頂ければ……。
このゲーム全体に言えることかもしれませんが、要は「何を幸せと考えるか」ということによるんだと思いますね。
生き続けることが幸せだと考えるか、最後まで人間として生きることが幸せなのか。
この選択は価値観によってそれぞれです。夕梨の場合は死がすぐそばにあったからこそより、生への執着が強かったのかもしれませんし、逆にシロネは永遠の命であり、主人公はそのシロネの苦しみを間近で見ていたからこそ、死を選んだのでしょうか。まあこの表現はあんまり正しくないかも。
結構昔の小説になってしまいますが、京極夏彦の「魍魎の匣」という話があります。
この話の中で、ある医師が事故(事件)で危篤に瀕した少女の命を助けるために、四肢切断、心肺以外の臓器を取り除き、「匣」に臓器の機能を持たせなんとか命を保つような状態にしました。この少女の事故(事件)に端を発し、この少女の誘拐、殺人、特殊なフェチズムを抱いた人物による猟奇的殺人事件、遺産相続によるいざこざなど連鎖的に悲劇が起きます。
主眼としては何を幸せに思うのかということです。ある人物は好いた相手(例えそれが死体であっても)と共に生きることに、ある人物は自身が「匣」になることに幸せを見出そうとしたり、ある人物は誰かの代わりになって生きることに幸せを見出します。
また中禅寺秋彦は「匣」に頼ってまで生きるのは人間とは言えないと非難します。人間は脳だけで感じるのではなく身体すべてで考えるから、機械によって保たれた体で考えることは人間の意志ではなく、それは機械の意志であると。
竹取物語の昔から、人々は不老不死に憧れ、また死を憐れみました。
何に幸せを見出すのかは本当にその人の価値観によるとしか言えません。
◎アンドロイド、AIと関連して
物語のプロローグの部分でシロネが舜以外の人間に拒否されるのはわりと想定内の出来事でした。というかこのテの話では天丼というか……
現実の話で置き換えるならば、AIと人間の関係ですかね。近年AIは目覚ましい進歩を遂げてきています。最近大きなニュースとなったのは将棋AIですね。ポナンザ先生には個人で将棋やるときの検討でよくお世話になっていたり……。
絵に関しても音楽に関してもギャグに関しても何でも
AIが生み出したものという注釈がつくと、人は嫌悪感を示す傾向が強いらしいです。
これはAIが考えたギャグですと言うと、頑なに『うわ、つまんねえ』とか言う人は必ずいるそうで
でもそれは人間特有のバイアスで、もし人とAIのどちらが作ったものか伝えずマスクさせた場合
それがクオリティ的に誰かを満足させられるかどうかは別にしても
どっちが作ったものか判別できないレベルには現実的になってきているのです。
まあ僕は理系ではないので、そちらの話はよくわかりませんが、近い将来、現在の仕事の50%近くがAIに取って代わられるなんて話もあります。そうなったら人としては若干AIを疎ましく思う気持ちもわからなくはないかな……
つまりこのゲームにおいては、人間と人工知能(アンドロイド)の共存における問題点を描出するために、シロネは人間に拒否される必要があったというシナリオ構成だったんですかね。
巷ではシンギュラリティの理論、いわゆる「技術的特異点」が何十年かのちに来るそうですが、僕はよくわかりません。
個人的には人間が人間である要素は決して効率化できないとは思います。よくわかりませんが
◎ディストピア
AIが行き着く先は超管理社会だった。というのが沙羅シナリオの本筋。
この世は、一匹の蝶がみている夢なのだ。
あるいは
水槽に浮かべられている脳がみせている映像にすぎない。
と言われても私たちは否定できません。なのでアンドロイドの管理下で電子空間で生きることになっても疑問を持つ人はあまりいないだろうし、否定することもできないのでは?と思ったり。
なんかもっと色々書きたいことあった気がするけどとりあえずこれで
続・2016年エロゲソングランキングに入りそうな曲
続きいくよ~
前→
『恋ひ恋ふ縁』(千恋*万花)/KOTOKO
多くのオタクを還らぬ者とした罪深いメーカー。
OPを評価するにあたって、やはり重要なのはどれほどゲームとリンクするかだと思うんですよね。そういう意味では三味線和風テイストのこの曲はすごく良いと思うんです。っていうかディレクターが作曲なんですかい。
『コイイロセカイ』(銀色、遥か)/Duca
最初イメージソングなりキャラソンなりは省こうと思ったんですがうっかり入れてしまって、まあいっかーみたいな。
やっぱDuca×Meis Clausonの楽曲は最高やな!って思いました。最初の美しい旋律から、Aメロに入ってピアノで引っ張られて、サビの2ビートのリズムでガーっ、と持ってかれます。意識が。
そもそもtone work'sさんは楽曲の充実ぶりが半端なくて前作、前前作楽曲の完成度が非常に高い。初恋1/1の「消せない気持ち」、星織ユメミライの「星織ユメミライ」とかぜひ聴いてみてください。
『未来パレード』(D.C.III With You~ダ・カーポIII ウィズユー~)/yozuca*
王道のど真ん中を突き抜けてくるような曲調してんなお前な。
『初めての約束』(ご主人様、メイド服を脱がさないで。 ) /新時あさ美
※公式チャンネルでアップロードされたら動画リンクも貼り付けます。
これもMORE系列なんですね。
新時あさ美さんの歌はうまく言えないけど等身大な感じが好きです。「I will...」とかね。っていうか歌い分けてるんでしょうけどね。
『N.O.S. Neonlight Overdrive Sparking crarity』(LAMUNATION!)/nao
ラムネから2曲目。デジタルロックな感じのクールさ。それに尽きると思う。ライブでスモーク焚いてレーザーで彩るって感じ。
この作品はCGも美麗なので合わせて見てみるとより爽快でGood。
それはそうと、数々のパロディはまあいいとして流石に淫夢営業はまずいですよ!
『青い空を風とともに』(Triangle Love-アプリコットフィズ)/kicco
イントロは良い、歌い出しの駆け込み感でうん?って感じになって、あとは軽快に流れてく感じ。
アプリコットフィズで最初は競走馬をイメージしたんですが、カクテルの名前なんですね。日本酒しか飲まないから知らなかった。さらにカクテル言葉なんてものがあって意味は「振り向いてほしい」だそうです。公式に書いてありました。(丸パク)
ギターが前面に出つつもピアノが余韻を引くこの感じが好きです。
『happy!happy!スキャンダル!』(カスタムメイド3D2+)/naoほか
カスメの曲はHOP-UPしている。聴いた後は一つの喜劇かショーを見た感じになる。ところどころのブラスセクションも主旋律をピアノが引っ張るところも好きです。
カスタムメイドは自分の中では「candy♥girl」が好きっていうかあれは反則ですね。ぜひ聴いてみてください。
『ハレノヒステップ』(カノジョ*ステップ)/佐々木詩織
イントロがエモい。エモいってなんだよ(無知)。繰り返して聴きたくなる曲。ステップというよりむしろ絵画的というかなんというか。OPのための曲。そこから語り掛けるような歌詞好きです。
『ここにいるよ』(星空TeaParty えくすとら)/真理絵
導入で跳びまわるようなニチアサっぽい可愛らしいリズムと歌詞、なのにサビで綺麗に盛り上げてる。いい感じにサビで期待を裏切られます。というかサビの入り方最高ですね。
【走り書き】2016年エロゲソングランキングに入りそうな曲
※形式は
『曲名』(ゲーム名)/歌手
です。
音楽知識に関してはほぼニワカですゆるして!
『SECRET CAFE』(アンゲネームプラッツ-Kleiner Garten Sie Erstellen-) /Astilbe×arendsii
やっぱりエロゲソングのOPで使われる曲はそのゲームの世界観だとか展開を想起させるような感じが良いと思うんですよね。OPの場合は映像も含めて、ですが。(CARNIVAL!は許さねえからな)
この歌詞はストレートに気持ちを「アイツ」に伝えてるような、メロディーも相まってそんな感じが伝わってきます。
あと間奏のギターが滅茶苦茶格好良いんでフル音源は必聴です。
『as×sist ~甘えベタな私なりに~』(甘えかたは彼女なりに。)/川田まみ
惜しむらくは川田まみさんの引退ですね。彼女は蒼の彼方のフォーリズムのOP「Wings of Courage – 空を超えて –」などが凄く良かったという印象が強いですね。アニメ版のラスト付近で流れたときは鳥肌が立ちました。
それはともかく、この曲もイントロでガッツリ川田さんの歌声に引き込まれます。可愛らしくて軽快でシンプルでサビに向けての盛り上がりを見せるAメロ→Bメロのリズムと2番の間奏部分のピアノ、ストリングスも個人的に大好きです。
『れみぜら!』(ワールド・エレクション)/solfa feat.美郷あき
もう聴いた瞬間ですね。どの部分をピックアップしてもカッコいいメロディ。ギター、ベース、ドラム、シンセ本当にどれも好きです。サビに入る部分の「ダッ、ダッ、ダッ、ダッ」と後半部分「ダダッ、ダダッ、ダダッ、ダダッ」って揃うところわかりますかね?わからないですかそうですか。
『Partyは終わらないよ』(ワールド・エレクション)/薬師るり
「なんかユ〇ゾンっぽい!」ってのが最初の感想でした。ごめんなさい。でもB(C?)メロ入る前の「ダダダッ、ダダダダッ」ってところが…あ、なんでもないです。
「もっと笑えるように もっと輝けるように」前向きで、明日には、その先の未来には、さらに良いことが起きるんじゃないか、という夢のように温かく、希望に溢れた優しい歌詞ですね。
『Missing』 (この恋、青春により。)/夢乃ゆき
初恋の美しさ、そして痛むほどの切なさを情感たっぷりにぶつけてくる歌ですね。
このMOREさんの作るゲームの楽曲はどれもエグイ(誉め言葉)ので心が打ちのめされます。先ほどの曲では夢を温かく優しい希望そのものだ、と言い表しましたが、この曲はむしろ初恋という泡沫を夢の儚さになぞらえて表現していると感じました。ストリングス、特にアコギかな?
このゲームのOPがまた初恋の臆病さをあれ程まで感じさせておいて、EDで別れや諦めの切なさのコンボはズルいと思いました。
『コイゴコロ to Beat!』(PURELY×CATION)/榊原ゆい
フル音源とキャラソンCDを出してくれ。
地味に(?)ここの楽曲は素晴らしいと自分の中で大きな話題になっています。キャラソンも非常に良いので是非聴いて頂きたいですね。
「歩いてこう 君と僕の未来へ いつまでも 二人笑顔でいたいから」
『Finest Sky』(見上げてごらん、夜空の星を FINE DAYS)/Ceui
昨年のエロゲソングランキングで物凄い勢いで上位に食い込んできた「WinterDiamond」(Rita)の衝撃が冷めやらぬ中、FDまで出してきてしかもこの曲。
作曲は前作と同じくおおくまけんいち氏。この人は琴線に触れる曲しか作れないのか?ってくらい好きです。満天の星空が浮かんでくるようなイントロ、というか音符自体が星なんじゃないかな(ロマンチスト)
自分は宮沢賢治が好きなので、そこの差で詞はWinterDiamondのが好きです()
『ミライメロディ』(オトメ*ドメイン)/yozurino*
こういうギターから入って段々ストリングスが加わってくる構成大好物です。
『FaV -F*** and Vanguard-』(LAMUNATION!)/彩音
このどこかに向かって中指立ててる感じ嫌いじゃないし、好きだよ。
彩音さんの歌声もすごくかっこよくマッチしてると思いました。強いて言うならもうちょっとドラムが重めでもいいかなぁって。せっかくサビ前の盛り上がりなんだしってことで。
『キミトユメミシ』(キミトユメミシ)/yuiko
yuikoさんは昨年だと恋カケの「Glorious Days」とかあとは「恋空」とかめっちゃ好きです。アップテンポもバラードも素晴らしいって最強か?
この曲に関してはサビがよく言えばオープンエンド悪く言えば投げっぱなしジャーマンって感じ。
透き通ったようなメロディ、要所要所のピアノが評価ポイントです。
多かったので区切りました。続きはこちら↓
【ネタバレ注意】アマツツミ/世界観とこころ√考察
なんていうかオタク趣味が昂じてしまった結果、このような記事を書くことに思い至ってしまった。
今回プレイしたのはPurple softwareから発売中「アマツツミ」
謳い文句は「言葉が紡ぐ、絆のADV」
ブランド的には期待値も高いですよね。最近の作品で言うなら「クロノクロック」「ハピメア」「初恋サクラメント」
もはやブランド買いしても文句はないかと。
そして内容ですが、公式の開発者インタビューによると、
『アマツツミ』は主人公・誠と“言霊”という能力、それらを中心として人間関係を描いた「学園恋愛ドラマ」です。
公開中のイメージボードより「伝奇モノかな?」という印象を持たれた方もいらっしゃったとは思うのですが――繰り返しますが「学園恋愛ドラマ」です(ある意味、本来は「伝奇モノ」寄りの主人公を学園恋愛モノに投入した、という形にもなっています)。
ということですが、僕は敢えて、「伝奇モノ」のほうを掘り下げたいと思います。これを書く前にいろんなブログを拝見しましたが、あまり掘り下げられていなかったようなので。
開発者の言う趣旨とは外れてしまうのですが、個人的には気になる部分がいくつもありました。さすがに全√となると気後れしてしまうので、本作全体の設定的な部分とこころ√の一応の意味づけ、解釈を試みました。”こころだけに”
本当はすばらしさを感想で書けばいいのですが、どれだけ美辞麗句を並べても陳腐にしか見えないので、せめてどれだけ私が考えたか、ということからこの作品の素晴らしさをわかってもらいたい。
※この先、ネタバレ満載ですので、プレイをしてから見ることをお勧めします。
※個人的な解釈が多く含まれています!
1、「アマツツミ」―天つ罪、国つ罪
まずは「アマツツミ」というタイトル。敢えて漢字を充てるなら「天津罪」で確定かと。開発者インタビューで主人公がこころの母であり、主人公の擬似母であるあずきと閨事には至らないことについて以下のように述べています。
本作であずきさんとのHシーンはありません――それは“国津罪(クニツツミ)”です。
冗談はさておき、御影もあずきさんは大好きですが、さすがにHシーンを入れてしまうと、すでにモラル的にギリギリのラインにいる『主人公』に共感できなくなる方が出てしまうかもしれませんので出来ません。
冗談と言ってはいますが、国つ罪の中には確かに母親と結ばれることが罪として規定されています。あずきさんは言霊によって「つくられた」とはいえ誠の「母親」です。要はタイトルと内容がそぐわないようにという配慮ですかね。
さて、国つ罪と対を為すように存在するのが「天つ罪」です。
ですが、この天つ罪の解釈が多少厄介です。もともと「天つ罪、国つ罪」は神道における罪の観念を指します。その解釈には諸説あるものの、一般的に天つ罪とは
「天上界で素戔嗚尊(すさのおのみこと)が犯した農耕と祭りに関する罪」
です。
(一説によるとムラ社会での農耕に関する罪から発展したという解釈もあるようです。個人的にさらに調べてみたいところ。)
主人公の誠やヒロインの一人、恋塚愛の住んでいた土地は確かに農耕中心の生活をしていた、ということが読み取れます。しかしながら、物語が展開するのはこころや響子、ほたるたちのいる井中町です。
果たして農耕に関する罪が伝奇寄り学園恋愛モノのタイトルになるでしょうか?
そこで私は「天つ罪」を字面通りに解釈しました。
つまり天つ罪の「つ」を古典で言う、所属の格助詞「つ」として、簡単に言うならば「天の罪」ですね。
「天」は人を超越した存在。「罪」はそのまま。
即ち「アマツツミ」とは
「人間を超越した存在の犯す(犯した)罪」
である、と考えました。
ここで「天」の解釈について、「神道の掟や罪に則っているなら天は神のことなのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、それについては後ほど。
2、誠と愛の故郷、誠の苗字
誠と愛の故郷は隔離世と言われるほど、外との交流が断たれた世界です。そこに住む人たちは言霊と呼ばれる力を使います。
この言霊は言霊信仰というより作中でも名前が出てきた「一言主(ヒトコトヌシ)」に由来すると考えるのが妥当でしょう。
誠のセリフにしばしば登場する
『吾は悪事も一言、善事も一言、言い放つ神』
誠たちが自称していたように彼らは神であり、一言主の末裔という解釈で間違いないでしょう。
しかし、なぜ彼らは俗世から離れて生活していたのでしょう?
言霊の力を無暗に行使しないように?彼らは神様であり俗世と離れているのは尤もらしい?
言霊は彼らの間でもしばしばやりとりされていたという描写があります。愛の雪も言霊によるものです。神様は地上にも「国津神」として存在していましたし、仮に彼らが俗世とは離れた「天津神」だとしても、地上に降り立つことが禁止されるでしょうか?
天津神が地上に降り立つということは、しばしば国の興りと関連されます。大国主命に国譲りを迫った時、あるいは天孫降臨の段。
重要なことだと認識されるのが普通ではないでしょうか。
ここからはただの個人的な解釈に過ぎません。オカルトの域から出ないようなことをそれらしく述べているだけです。
ヒトコトヌシは古事記の記述では雄略天皇を畏まらせたほど偉大な神様です。もちろん天皇の系統とは別の神であると解釈されます。しかしヒトコトヌシは時代を下るにつれて立場が低下していきます。「続日本紀」ではヒトコトヌシが天皇と狩りの獲物を争ったために天皇の怒りを買い、土佐の国へ流されたとされています。さらに時が流れて、「日本霊異記」ではヒトコトヌシはただの使役神まで格が落とされています。
これはヒトコトヌシを祀っていた賀茂氏の地位が低下したため、と言われています。
ここから無理やり解釈するならば、
誠たち故郷の人々は天皇によって流された一言主の末裔であり、恣意的に幽閉されていた。
ということになるでしょうか。一言主の力は受け継がれているが、幽閉されていたという事実はいつしか「外の世界には行ってはならない」という教えに変化したのでしょう。
繰り返しますがこれは個人的な考えです。あくまでオカルトです。
これに関連して主人公・誠の苗字についても考えてみました。
作中では学校に初めて行ったときの自己紹介
と、このように言っていました
「カミ」から始まる名字です。神?神野、神山、神谷・・・
先ほどの解釈と同じく無理やりな理論で苗字を推測するならば「上賀茂」とかになるでしょうか。
もしくは単に「神」なのかもしれません。「神」は古代「かも」という呼び方もあったようです。
賀茂から神(かも)と表記が変わり、読み方も時代が下ると神(かも)から神(かみ)になったとも考えられますね。
「カミ マコト」
あまり語感がよくない気がする。
あくまで個人的な考え、オカルトです!
3、こころ√の位置づけ
さて、やっと作品全体的な解釈がおわりました。最後はこころ√の位置づけです。実は1で述べた「天」の解釈がここで大きく関わってきます。
こころ√をプレイ中印象的な場所、また何回も出てきた言葉や展開。それをひとつずつ挙げていきたいと思います。
印象的な場所
- 礼拝堂・・・誠やこころたちが通う学校にある礼拝堂。学園はもともとミッション系だった。
繰り返し出て来た言葉
- 禁断の果実・・・発言者はほたる。兄と妹の恋愛を揶揄した言葉。
展開
- 言霊が効かない・・・こころの兄・誠に対する恋愛感情を抑えられなかった。病気を治すことに言霊は使えない。(しかし結局は言霊によって病気を治したが)
お判りでしょうか。こころ√ではキリスト教寄りの言葉や場所が繰り返し出てきます。禁断の果実は「創世記」のアダムとイブが口にした知恵の実。礼拝堂の登場によってキリスト教的な解釈になるということが推測できます。
1で述べた「天」の解釈に戻りましょう。私は「天」を「人間を超越した存在」としました。神道的な解釈で単純に神と解釈しなかったのは、こころ√は神道で解釈することが難しいからです。(兄妹という話に限定すれば伊邪那岐、伊邪那美の話と考えられますが)
むしろキリスト教的な解釈だと様々なことの説明がつくのです。それゆえ「天」は神道における神様と限定的にするのではなく、人類の上位存在という解釈をしました。
ほたるが禁断の果実と揶揄したように、二人は「兄妹」という一線を越えた恋愛感情を持ちます。
そして物語が進みこころと結ばれます。それは即ち禁断の果実を口にしてしまったということになります。
話を戻しましょう。こころ√では言霊の効かない場面が多く出てきました。(ほたるに関してはちょっと例外的ですが。)
言霊が効かないということは、つまり神性が物語から消失し、より人間的な話が展開されます。
誠は神の里から脱走し、人間の世界へ降りてきました。
それは誠が普通の人間足ろうとしたからであり、こころやあずきとの交流は誠の知らなかった「家族愛」を誠にもたらしました。
言霊が使えないことにより、誠は人間として、こころの兄として、あずきの子どもとして、人間らしい感情を持ちました。
メタいですがゲームシステムから言っても、こころ√は最初に展開する話です。
先ほどの禁断の果実の話、アダムとイブの話はそもそもどのような趣旨の話なのでしょうか?
禁断の果実を口にしたアダムとイブのために、人間は罪——原罪を背負うことになりました。それはある意味、人類の始まりの物語です。
ここで解釈を述べてしまいましょう。
こころ√は
神の里から逃げて来た誠が、世界を愛すべきものと知り、人間として生きる第一歩目の物語
である。という位置づけが可能ではないでしょうか。
そして作品タイトルである「アマツツミ」即ち「天つ罪」がすべての話に一貫しているならばここで犯される罪は、楽園でアダムとイブが犯した「原罪」になるのでしょう。
ところで、アダムとイブの話にはもうひとり(一匹?)重要な登場キャラクターがいますね。
それは楽園で一番賢かった「蛇」です。
禁断の果実を口にしたアダムとイブはそれぞれ誠とこころを指すなら、蛇は誰に当たるのでしょうね。
七つの大罪において、蛇は「嫉妬」の象徴とされています。もしくは羨望の裏返し。
誰やろなあ~(すっとぼけ)
繰り返しますがあくまでも個人的な解釈ですからね!
余談ですが誠は結局、死ぬことはなくあずきさんも助かりました。もしも言霊に強さの違いがあるとすれば誠の母親が言った「生きなさい!」と誠があずきさんに言った「生きてください。」のどちらが強かったんですかね。
結果的に見れば誠の母親なのでしょうが、誠の言霊は未熟であったため、本質というか意志の強さはわからないですよね。
なにはともあれ誠くんは一人の人間として生きる道を選びました。人を生かすのは愛だと知りました。この決断が後々も大きく響いてくる予感がする、そんなお話でした。